<< September 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2012年09月01日(土) by スポンサードリンク [ Edit ]
cetegory : - / - / - / -

小さな黒い鞄

 初めて見た時に心を持っていかれてしまった。多分こういうことを一目惚れと言うのだと思う。

 雑誌の写真の片隅にちょこんと置かれていた、小さな黒い鞄。写真の中のそれは、少しくたびれていて、でも新しいものにはない艶やかさを持っていた。
 あぁきっと。と、見た瞬間に感じた。あぁきっと持ち主にすごく愛されているのね、と。
 しばらくの間は目が離せず、あまつさえその鞄と過ごす自分の姿まで想像してしまっていた。その鞄とコンサートに行く。買物に行く。美味しい料理を食べに行く。大好きな紅茶のお店にも連れて行く。
 私も愛したいなと思った。くたびれても艶やかさを放たせるくらいに。


 世の中はとても便利になっていて、インターネットを通じて、私は一目惚れをしたものと同じような鞄を手に入れることができた。

 被せる蓋と、蓋を留めるベルトと、小さな金具の付いた鞄。私の手元に届いたのは、まだ作ったばかりで、新しいもの独特の革の匂いと、初々しい硬さが残っていた。両手で触れて、その硬さが私と一緒に時を経て柔らかく馴染む姿を想像する、ちょっとした至福の時だ。


 昔、私は荷物の多い女だった。
 あれも必要かもしれない、これも持っていっておこう、と思うといつの間にか荷物が多くなってしまうのだ。不思議なことに。
 そのくせ、お財布一つで街中に飛び出せる男の人(私の周りにはそういう男の人が多かったのだ。)の潔さや身軽さにすごく憧れていた。

 だんだんと減ってはきたけれど、それでも持っていきたいものがある。お財布の他にも、手帳とか文庫本とか目薬とか。(普段コンタクトを入れていて、おまけに少し目が乾きやすいのだ。)

 小さな黒い鞄にはそんなにたくさんのものは入らない。
 その鞄で出かける時は、本当に、本当に、必要最小限の荷物になってしまう。お財布とハンカチと携帯と鍵。それからリップクリームと目薬。
 文庫本は、この時ばかりは泣く泣く手放すことになる。
 だけど、まあよしとする。



 好きなもののためのやせ我慢を、私はほんの少しだけ奨励しているのだ。





人気blogランキングへ
人気blogランキングにエントリーしています。
よろしかったらワンクリックお願いします。
2006年09月09日(土) by yuri [ Edit ]
cetegory : 物のはなし / comments(17) / trackbacks(3) / -

手紙

 文字で気持ちを伝えるのは、結構難しい。
 …と思う。

 いっぱい考えて、何度も書き直したりして、自分の中の気持ちを文字にするのに、まっすぐに伝わらないことがあったりするし。
 それどころか、自分の気持ちが全部ぴったり文字にできなかったりする。それが何とももどかしい。

 でも。


 私は手紙が好きです。
 送るのも、もらうのも。
 今でこそ携帯やパソコンのメールが主流になりそうだけど、やっぱり紙とペンを使った手紙が好き。
 文字だけでなくて心も伝わってきそうだから。


 ちっちゃい頃、私は鍵っ子だったので、両親が仕事から戻るまで家で一人で過ごしていました。
 学校から帰ってくると、テーブルの上に毎日手紙が置いてあるんですね。チラシの裏に走り書きで。

「おかえりなさい。」
「おやつは冷蔵庫の中にプリンがあるよ。」
「おかあさんより。」

 いつも嬉しかったのを覚えてます。胸がほわんとするように。

 職場でも、よく教え子から手紙をもらいました。

「ゆり先生へ。」
「先生のすきな色はなんですか?わたしは青です。」

 すごく些細な内容だけど、なぜだかすごく嬉しい。その日のうちに返事を書いて、さようならの後に手紙を渡していました。あなたからのお手紙とっても嬉しかったよ、の言葉を添えて。


 文字で気持ちを伝えるのは難しいけど、私の中で手紙は別格。
 それもパソコンの無機質な文字の羅列じゃなくて。
 気持ちに当てはまる言葉を選ぶのにすごく悩むこともあるけど、なんていうか、私の指先からあふれる私の分身のような感じです。

 ちょっと手紙を書きたくなる気分。
 明日にでも書いてみようかな。



 パソコンの無機質な文字の羅列…とはいうものの、このブログも私の指先からあふれる私の分身なんですよね。



人気blogランキングへ
人気blogランキングにエントリーしています。
よろしければワンクリックお願いします。
2006年04月12日(水) by yuri [ Edit ]
cetegory : 物のはなし / comments(0) / trackbacks(0) / -

気が付けば長い付き合い

 とっかえひっかえ、というとあまり良く聞こえないけれど、そんな私でも今使っている手帳は3年目になる。

 クオバディス、というところのもので、もともとは彼がすすめてくれたものだった。「良い物を長く使う」という人だったので、(年齢的にも自分にとっての良い物が何かを知っていたのだと思う。)彼のすすめる物はたいてい一度は手に取るようにしていた。
 試しに。そんな気持ちで使っていたけれど、多分私にとって丁度良い具合だったらしい。スケジュールを書き込むというよりは、タスクリストのように使っている。
 仕事をお休みしている今でも。忘れっぽくて段取りの悪い私に丁度良い具合。

 小学校6年生の時に千葉敦子の「ニューウーマン」を読んで、手帳を持つことにものすごく憧れたのが始まりだった。
 一番最初は、当時読んでいた漫画雑誌の付録の手帳。それでも、自分自身をマネージメントしている気持ちで、なんだかすごく大人になった気分だったのを覚えている。

 千葉敦子の「ニューウーマン」。
 スタイルを持って生きることの格好良さを、私はこの本で知った。今でも折に触れ読み返す本。憧れを持ちながら。

 それにしてもこの本、小学校6年生で読んだなんて私もずいぶんと背伸びをしていたのねと、思わずにはいられない。

 手帳を持つ生活を、もう十数年続けている。
 気が付けは長い付き合い。

2006年02月23日(木) by yuri [ Edit ]
cetegory : 物のはなし / comments(0) / trackbacks(0) / -

1