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2012年09月01日(土) by スポンサードリンク [ Edit ]
cetegory : - / - / - / -

昔の恋人

 私から最後に送ったメールはひどくそっけなく冷たいものだったし、彼から届いた最後の返事からは、彼のどうしようもない怒りのようなものが伝わってきた。
 そんな別れ方をした。
 もう会うことはないだろうと思った。もしもどこかですれ違ったとしても、うっかり会ってしまったとしても、心ごと向き合うことはないだろうと。

 昔の恋人と再会するのは、どうってことなくて、むしろ少しドキドキして楽しみだと思うけれど、彼だけは例外。私にとって尋常でない別れ方をしたから。

 だけど会ってしまうものだ。
 仕方ないと言ってしまえば、確かにそうではあるシチュエーションで。(つまり仕事で。)



 姿を見つけたのは私が先だった。
 エントランスホールのソファに座っている彼を見つけて、一瞬迷った。
 声をかけるべきなのか、そのまま通り過ぎるべきなのか。
 迷いながら足を進めていたら、彼が視線を上げた。私を見て、あぁ、という表情をした。その口元には笑み。懐かしそうな。
「お疲れー」
 自然と言葉がでた。彼が当たり前のように隣に置いていた自分の鞄を下ろし、私も当たり前のように彼の隣に腰掛けた。
「すげぇ久し振りじゃん」
「そうだよね」
「…ゆり、変らないね」
「そう?」
「うん。なんていうかさ、ずっと会ってなかったのに、昨日まで一緒にいた感じなんだもん」


 それはあなたのお陰だ、とは言わなかったけれど。
2008年07月26日(土) by yuri [ Edit ]
cetegory : 恋のはなし / comments(0) / - / -

立ち位置を見失わないために

 客観的に、冷静に。
 私の苦手なところだ。


 時々、自分の場所を見失いそうになる。いるべき場所。立ち位置、というか。
 大事にしたいものは何で、愛してるものは何で、無くせないものは何なのか。時々混乱。

 見失いそうだ。

 そう思う時に、ゆっくりと考えてみる。
 私が無くせないものは何なのか。あったら幸せ、というレベルではなくて、なくちゃならないもの。
 そして、それを無くさずにいるために私が今すべきことは何なのか。

 それは結構難しい作業だ。
 私はかなり思い込んでしまう方で、このままあったら幸せなものと無くせないものの見極めがうまくできないから。

 突っ走りかけた途中で、ふと立ち止まって考える。
 考える。
 客観的に、冷静に。


 立ち位置を見失わないために。
2007年12月09日(日) by yuri [ Edit ]
cetegory : - / comments(4) / - / -

もう後悔はしない

 結婚を後悔したことは、二度。

 一度目は、結婚したことそのものを後悔した。どうしてもダンナさんの望むような妻になれなくて、「妻の適性」というものがあるのならば、私にはないと思った。本気で。
 ずっと恋人のままだったら、もしかして良かったかもしれないのに。妻じゃなくて。

 リタイアしたら駄目かな。
 切羽詰って言葉にした思いは、でもダンナさんに遮られた。駄目、と。

 二度目は、ダンナさんと結婚していることを後悔した。彼と初めて出会った頃に。
 彼の強い想いをめちゃくちゃにぶつけられて、ぐらぐらした。私が今結婚していなければ、何の制約もなく彼の想いを受け止められたのに、と。
 今でも彼に「俺はゆりと結婚したかったよ」と言われるたび、あの頃にした後悔を思い出す。どうしようもできないけれど。


 それでも、私はダンナさんの傍にいる。いたい。
 例えば、初めて抱き合ったときのあの感覚。自分のもう半分はここにあったんだという、頭でも心でもないどこかで感じたこと。この先を一緒に暮らすのはこの人しかいないという直感。そういう自分の感覚や直感を信じることにしているから。

 だからもう後悔はしない、ことにしたい。
 できることならば。





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2007年09月23日(日) by yuri [ Edit ]
cetegory : 家族のはなし / comments(4) / - / -

私はあなたの恋人になりたい

 最初に言い出したのは彼だった。
「ゆりと恋人同士になったら一緒にあそこに行きたいな。」
 4年前。
 出会って間もない頃で、思わず、え、と思ってしまった。普通の恋人になんてなれないと思っていたから。私たちは、お互いに美味しいところだけを頂くような、そんな関係だと思っていたから。

「…でも、恋人同士にはなれないよね、きっと。」
 それがその時に私が出した答だった。私にも彼にも、別のところに「恋人」というべき人がいたから。

 4年間で、何度別れ話をしただろう。私も彼もどれだけ嫉妬に狂ったことか。
 何度、それでも好きだと伝え合っただろう。
 ばかみたいに相手を好きでいるのは私だけじゃなかったんだと、気付いた時に自然と言葉が出た。ついこの間のことだ。

「私、あなたの恋人になりたいよ。」

 一世一代の大告白だった。ダンナさんにもしたことのない。




「うん。俺はずっとなってほしかったよ。」
 彼から返ってきた言葉に、泣きそうになった。






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2007年09月13日(木) by yuri [ Edit ]
cetegory : 恋のはなし / comments(6) / - / -

約束

 ピクニックに行きたいね、と言ったのはもうだいぶ前のことだ。
 私たちがまだ恋人だった時みたいにさ、お弁当持って、またキャッチボールしようよ。今度は子供も一緒に三人で。
 そう言ったのは、多分、1年以上も前のこと。

 そうだね。行きたいね。

 ダンナさんにそう言ってもらったのは、もう遥か昔のことみたいだ。


 この間、ふとそんな話題になった。
「ピクニックに行きたいって言ったけど、結局全然行けないね。休日も忙しいみたいだし、仕方ないんだけど」
 そう言う私の言葉にはきっと小さなとげが付いていたのだと思う。彼はちょっと困ったような表情をした。
 別に彼をを困らせたいわけじゃないのに、と思ったらせつなくなった。ただ一緒に、非日常のささやかな幸せの時間を過ごしたいだけなのに。

「今年は大丈夫だと思うよ。仕事が落ち着いたら、行こう」
「うん」

 うん。と言うのが精一杯だった。
 本当に?とか、別に無理しなくていいんだからねとか、そんな言葉は飲み込んだ。まだ言葉に小さなとげが混じっていそうだったから。



 きっとその日を待ってしまう。いつまでも。
 彼が約束してくれたから。





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2007年09月08日(土) by yuri [ Edit ]
cetegory : 恋のはなし / comments(5) / - / -